保証支払い方法 (Warranty Payments Method)
作業提供に対する償還
保証に基づいて実施した修理サービスの作業時間を正しく算出することは、請求を適切に記入するために非常に重要です。
作業時間のチェックと管理を行い、承認プロセスを容易にするため、自動システムが作成されています。
自動システムについて詳しくは、このマニュアルの「9.2.3 保証クレーム提出/作業時間の計算」またはサーキュラーレター「MAS000591_作業時間の計算」をご覧ください。
保証作業単価レビュー
マセラティは、12カ月に一度以内に限り保証作業単価レビューを受け付けします。このレビューは、ディーラーにより提案され、マセラティジャパン アフターセールス経由でマセラティ本社の主導権に基づき、決定されるものです。
保証工賃単価の見直しについては、マセラティは各特定の市場向けに保証および小売工賃の参考単価を毎年参考にして行われるものです。
これらの小売工賃の参考単価は、市場における競合他社工賃単価の平均値(前年の水準基標に基づく)およびマセラティ ネットワークの単価に基づき算出されます。
以下の両方の条件が満たされる場合のみ、保証単価が上がります。
- 少なくとも6カ月前から小売工賃単価が変更されている
- 現在の保証工賃単価と新しい小売工賃単価の比率が、参考保証単価と参照小売単価の比率よりも低い(特定の市場において)
WRdlr/RRdlr < WRMkt/RRMkt
定義:
- WRdlr は現在のディーラーの保証工賃単価です。
- RRdlr はディーラーの小売工賃単価です。
- WRMkt は参考市場保証工賃単価です。
- RRMkt は参考市場小売工賃単価です。
更に、ディーラーの小売工賃単価の算出は、直近の6カ月以内に発行された顧客への15件以上のインボイスにより確認されます。
同意された保証工賃単価は小売工賃単価の一定割合で、この割合は以下に応じて変わります。s.
- 最後の保証工賃単価更新から経過した時間
- CI&スタンダード順守度合、監査結果およびKPI達成度
- ディーラーにより適用される小売工賃単価と特定市場の参考工賃単価の差
更に、現在マセラティが同意している最大保証工賃単価は、小売工賃単価の85%です。
新しい保証工賃単価算出に必要なステップの詳細は、以下のとおりです。
1. 最後の工賃単価更新から経過した時間を評価
最後の更新から1年経過するごとに、現在の保証単価に1%上乗せされます。
最後の単価上昇日 – レビュー要求日 = 経過年数「n」è n% が現在の保証単価に上乗せされます
したがって、経過年数による保証単価上昇率は、
WRincrease_years = WRdlr*(経過年数「n」)%
2. 標準CI&スタンダード順守の評価、監査結果およびKPI達成度
現在分析される主なパラメーターは以下のとおりです。
- 週間作業量および技術者の人数
- コーポレイトアイデンティティー
- トレーニングの資格
- 6カ月以内に行われた直近の監査の結果
- KPI:サービス エントリーの日数カウントダウン、サービス エントリー遅延およびキャンペーンの実施
検証される各パラメーターで、現在の保証工賃単価に1%が上乗せされるため、提案保証工賃単価はCI&スタンダード、監査、KPIにより上昇します(一般的に「WRincrease_parameters」と呼ばれます)。
WRincrease_parameters = WRdlr*(実施されるパラメーター「n」)%
1番と2番で定義した両方の上昇を考慮すると、提案保証工賃単価は
WRupdated = WRdlr +WRincrease_years + WRincrease_parameters
3. 保証工賃単価と小売工賃単価の比率評価
ディーラーの小売工賃単価が市場の参照小売工賃単価よりも低い場合は、算出された提案保証工賃単価に更に1%が上乗せされる場合があります。
したがって、ディーラーの小売工賃単価と市場の参照小売工賃単価を比較する必要があります。
RRdlr < RRMkt
この条件が満たされた場合、2つ目に必要な条件は、保証工賃単価の上乗せ率を検証することです。提案保証工賃単価とディーラーの小売工賃単価の比率は、参照保証工賃単価と市場の小売工賃単価の比率よりも低くなければなりません。
WRupdated/RRdlr < WRMkt/RRMkt
いずれの条件も満たされた場合、仮保証工賃単価は1%上昇し、算出される保証工賃単価は、
WRcalculated = WRupdated + (WRupdated* 1%)
上記の条件のうちの1つが満たされない場合は、算出される保証工賃単価は2番で算出された提案工賃単価と等しくなります。
WRcalculated = WRupdated= WRdlr +WRincrease_years + WRincrease_parameters
マセラティが現在同意している最大保証工賃単価が小売単価の85%であることを考慮すると、新しい保証工賃単価(同意工賃単価)は最大で小売工賃単価の85%になります。したがって、
If WRcalculated > (RRdlr * 85%) → WRagreed = RRdlr*85%
If WRcalculated < (RRdlr * 85%) →WRagreed = WRcalculated
保証工賃単価の見直しをディーラーから要求された場合は、マセラティジャパン アフターセールスはマセラティの保証および修理部門に以下の書類を提出する必要があります。
- ディーラーの所在市に関連する競合他社のベンチマーク(保証工賃単価更新の計算には直接使用しません)
- 直近の6カ月以内に発行された顧客への15件のインボイス
- マセラティジャパン アフターセールスが記入した「保証作業工賃単価レビューリクエスト」申請書
保証工賃単価の変更が承認されたら、ディーラーサービスマネージャーは、マセラティジャパン アフターセールスから送付された「保証作業工賃単価レビューリクエスト」申請書に連署します。
同意された保証工賃単価は、CI&スタンダードや実際の適用小売工賃単価を考慮のうえ、毎年見直されますのでご留意ください。
保証工賃単価更新の計算を、例を挙げて分かりやすく説明します。
例
データ修正:
データ修正:
現在のディーラー保証工賃単価:WRdlr = 95.00 €
現在の小売工賃単価:RRdlr = 159.90 €
保証工賃単価/小売工賃単価の比率:WRdlr/RRdlr = 59%
ディーラー申請保証工賃単価:WRprop = 105 €
2015年の参照市場保証工賃単価:WRMkt = 113 €
2015年の参照市場小売工賃単価:RRMkt = 131 €
保証工賃単価/小売工賃単価の比率:WRMkt/RRMkt = 86%
以下の条件を満たす必要があります。
少なくとも6カ月前からディーラーの小売工賃単価が変更されている(顧客宛ての15件のインボイスをその証拠とします)OK -> 2つめの条件確認に進みます
WRdlr/RRdlr < WRMkt/RRMkt = 59% < 86% OK -> 保証工賃単価更新の計算に進みます
1. 前回の工賃単価更新から経過した時間の評価
前回の価格上昇日:2012/11/02
レビュー要求日2015/08/09
前回の価格上昇日 – レビュー要求日 = 2015-2012 = 3 経過年数è 3%が現在の保証工賃単価に上乗せされます
したがって、経過年数による保証工賃単価上昇率は、
WRincrease_years = WRdlr*(経過年数により上昇した%) = 95.00 €*3% = 2.85 €
2. CI&スタンダード順守度合の評価、監査結果およびKPI達成度
マセラティジャパン アフターセールスから報告され、マセラティの保証および修理部門が実証する情報:
- 週間ワークオーダー件数:20件/週、技術者の人数:2 OK è 1%が現在の保証工賃単価に上乗せされます
- コーポレイトアイデンティティー:OK è 1%が現在の保証工賃単価に上乗せされます
- トレーニングの資格:NOT OK è 0%が現在の保証工賃単価に上乗せされます
- 前回の監査結果、監査日:2015/07/15:OK è 1%が現在の保証工賃単価に上乗せされます
- サービス エントリーのデイズダウン日数、サービス エントリー遅延およびキャンペーンの実施:NOT OK è 0%が現在の保証工賃単価に上乗せされます
- したがって、保証工賃単価はCI&スタンダード遵守、監査、KPI(パラメーター)により上昇します。
WRincrease_parameters = WRdlr*(実施されるパラメーターにより上昇した%) = 95.00 €*3%= 2.85 €
1番と2番で定義された上昇の両方を考慮した調整保証工賃単価:
WRupdated = WRdlr +WRincrease_years + WRincrease_parameters = 95.00 €+2.85 €+2.85 €= 100.70 €
3. 保証工賃単価と小売工賃単価の比率評価
ここで、ディーラーの小売工賃単価と市場の参照小売工賃単価を比較します。
RRdlr < RRMkt → 159,90 € < 131,00 € NO → 0%が調整保証工賃単価に上乗せされます。
1番目に必要な条件が満たされない場合には、2番目に必要な条件(WRupdated/RRdlr < WRMkt/RRMkt )は考慮されず、保証工賃単価は1%上乗せされません。
したがって、算出される保証工賃単価は、調整保証工賃単価と等しくなります(2番での計算):
WRcalculated = WRupdated = 100.70 €
最後に実証すべきステップは、算出された保証工賃単価がディーラーの小売工賃単価の85%を下回っていることです。
WRcalculated < RRdlr * 85%
以下のような特定の場合においては、提案保証工賃単価(100.70€)はディーラーの小売工賃単価(159.90 €)の85%を下回ることになります。
100,70 € < (159,90 € * 85%) → 100,70 € < 135,91 € OK → WRagreed= WRcalculated = 100,70 €
したがって、最終的な合意提案工賃単価は以下のようになります。
WRagreed = 100,70 €
保証工賃価格の上昇率 = 6%
小売工賃価格との比率 = 63%
新規ディーラーのための保証クレームの工賃レート
協定保証工賃レートは小売工賃レートの一定の比率となります。この比率はマセラティが各個別市場毎に毎年定める参考保証工賃レート、参考小売工賃レートの比率に相当します。
これらのレートは前年度のベンチマークにより収集された競合他社のレート、マセラティレートの平均値として計算されます。どちらのレートもマーケットに適用された値です。
新規ディーラーが他のマセラティディーラーのいない市場で営業する場合、参考レートはマセラティジャパン アフターセールスが提供する競合他社のベンチマークに基づいて計算されます。
ディーラー提案小売工賃レートは、ディーラー保証工賃レートを決めるためのもう一つの分析用パラメーターとなります。ディーラー提案小売工賃レートはマセラティ参考市場小売工賃レートと整合をとる必要があります。
さらに現在マセラティの最大協定保証工賃レートは小売工賃レートの85%です。
その結果、保証工賃レート(市場)と小売工賃レート(市場)の比率が85%より大きければ、協定保証工賃レートは小売工賃レートの85%となります。
If WRMkt/RRMkt > 85% → WRdlr_agreed = RRdlr*85%
If WRMkt/RRMkt < 85% → WRdlr_agreed = RRdlr* (WRMkt/RRMkt)
ここで
WRdlr_agreed は新規ディーラー用協定保証工賃レート
RRdlrはディーラーの小売工賃レート
WRMktは参考保証工賃レート(市場)
RRMktは参考小売工賃レート(市場)
マセラティジャパン アフターセールスがマセラティ本社 保証&サービス部門に提供することが必要なドキュメントを以下に示します。
ディーラー所在地(市)競合他社のベンチマーク(新規マーケットの場合のみ保証工賃レートの計算に直接使用)
「保証工賃レート設定(新規ディーラー)」フォーム(マセラティジャパン アフターセールスが記入)
例
収集データー:
提案ディーラー保証工賃レート:WRprop = 100 €
提案ディーラー小売工賃レート:RRdlr = 130 €
参考市場保証工賃レート(2015年)WRMkt = 113 €
参考市場小売工賃レート(2015年):RRMkt = 150 €
保証/小売比率:WRMkt/RRMkt = 75%
上記データが入手できれば保証工賃レートの計算ができます。
WRdlr_agreed = RRdlr* (WRMkt/RRMkt) = 130 € * 75% = 97,90 €